2015年

10月

25日

レクチャーシリーズ 10  作家を知るためのワークショップ絵本「きこえる?」の作者はいじまのぶひこさんと一緒につくる本

日時:2015年10月11日(日) 13:00~16:30
会場:三鷹市駅前コミュニティセンター
講師:はいじまのぶひこさん(造形作家・絵本作家)

 

今回の講師は、絵本『きこえる?』の作者はいじまのぶひこさん。

はいじまさんは、これまで現代美術の世界で作品を発表されてきました。

まずは、作品や展覧会の記録などこれまでの活動をスライドとともにご紹介いただきました。

「形が置いてあるだけで、(描かれていない周りの)いろいろなものを感じとれる」ご自身の作品を「今思えば、非常に絵本的」と振り返りました。

「現代絵画と絵本。やっていることは一緒。単にジャンルを変えただけ」

「仕切りをなくしたことで、やわらかく考えられるようになり、自由になれた」とお話ししてくださいました。

そして、ワークショップでは、それぞれが持ってきた材料をもとに、ちいさな本づくりをみんなで楽しみました。

 

新しい絵本の準備も進んでいるそうです。

はいじまさんの絵本の作り方を知って次回作がすごく楽しみになりました。

2015年

6月

28日

レクチャーシリーズ 9  茂田井武とミュゼ・モタイ

日時:2015年6月28日(日) 14:00~16:00
会場:三鷹ネットワーク大学
講師:広松由希子さん(ミュゼ・モタイ )


今回の講師は、絵本研究家の広松由希子さん。現在、フリーで絵本の文、評論、翻訳、展示企画など多方面で活躍する広松さんは、2012-15年ブックスタート選考委員、2010年ボローニャ展審査員、2013年ブラティスラヴァ国際審査員を務めるなど、国際的に活躍される絵本研究家です。三鷹市では、2006年より、みたか・子どもと絵本プロジェクト助言者として、ご指導いただいています。そんな広松さんの絵本研究のなかでも中心に位置する作家 茂田井武(1908-56)。その作品と人生についてのレクチャーと、広松さんが仕事の傍らでライフワークとして行なっているグループ活動「ミュ ゼ・モタイ」ついてご紹介いただきました。

「ミュ ゼ・モタイ」は、1956年に逝去した茂田井武の著作権が切れた2006年に次女の暦さんの呼びかけにより、スタート。展覧会、グッズ制作、webメディアなど、さまざまな形で「茂田井武に関する研究の推進と情報の発信」を行っています。特に、ユニークなのは、茂田井武のグッズと現在活躍する絵本作家やイラストレーターによるトリビュート作品の展示、販売を行う「マルシェ・モタイ」。オリジナルグッズは、茂田井武の絵が、もっと身近にみんなの手に残って欲しいと、メンバーが手弁当で制作を担当しているそうです。


この日、教室に登場した「マルシェ・モタイ」でも、現在活躍する作家によるトリビュート作品がずらりと並び、作家に茂田井ファンが多いことやこのプロジェウトを応援する作家が多いことを想像させました。

ミュ ゼ・モタイ http://www.y-poche.com/motai/

2015年

1月

25日

レクチャーシリーズ 8  世界の絵本が大集合!"ボローニャ・ブックフェア" 

日時:2015年1月25日(日)14:00〜16:00

会場:三鷹市協働センター

講師:板橋区立美術館副館長・女子美術大学非常勤講師 松岡希代子

 

今回の講師は、板橋区立美術館の松岡希代子さん。毎夏、ボローニャ国際絵本原画展をご担当され、毎年、現地イタリア ボローニャを訪問される松岡さんに、美術館での活動とブックフェアとボローニャの街について、お話していただきました。

 

毎年春にイタリア・ボローニャで開かれる児童書専門の国際見本市“ボローニャ・ブックフェア”には、版権売買のため世界中から出版社が集まります。このブックフェアにあわせて、リンドグレーン賞やアンデルセン賞といった、児童書関連の賞の発表や、国際会議、展覧会も開催されるため、ボローニャの街は名実ともに世界の絵本の中心地となります。加えて、あちこちで公認、非公認のイベントが開催されるというボローニャの街の様子をスライドでご紹介いただきました。

また「ボローニャ絵本原画展という現象」として、板橋区立美術館で開催してきたボローニャ国際絵本原画展の成り立ちと、世界で活躍する日本人作家をご紹介いただき、日本の絵本文化について考えました。

 

「ボローニャ絵本原画展」には、様々な人々の熱意と愛情と手間がかかっていました。続くものには、理由があります。今年も、板橋区立美術館の「ボローニャ絵本原画展」が楽しみになる大変白熱した講義でした。

2014年

12月

07日

レクチャー シリーズ7 パステル画でつくるクリスマスカード

日時:2014年12月7日(日)13:00〜16:30

会場:三鷹ネットワーク大学

講師:亀岡亜希子(絵本作家 )

 

“おとな絵本ラウンジ”の今年最後の新たなる挑戦は、作家を知るためのワークショップ。作家と一緒に手を動かすことで、もう一歩深く作家を知ろうという試みです。

第一弾の講師は、オコジョのタッチィシリーズが人気の亀岡亜希子さん。デビュー作『ねんにいちどのおきゃくさま』(文渓堂)が、クリスマスのおはなしだったことから、クリスマスにちなんだお仕事も多い亀岡さんとパステル画でクリスマスカード作りに挑戦しました。

 

この日の参加者は、全員女性(!)。女子会となったレクチャーは、和やかな楽しい時間となりました。

 

2014年

8月

04日

レクチャー シリーズ6 絵本で出会う現代アート

日時:2014年8月3日(日)14:00〜16:00

会場:三鷹ネットワーク大学

講師:うらわ美術館 キュレーター 山田志麻子

 

 

現代アートというと「難しい。」「よくわからない。」「敷居が高い。」という印象をお持ちの方が多いようですが、子どもたちに人気のある絵本『もこ もこもこ』や『じゃりおじさん』など普段私たちが親しんでいる絵本の中には、時代の先端で活躍しているアーティストが手掛けた絵本があります。

そう絵本は、アート作品なのです。

今回は、絵本の身近で贅沢な楽しみを知っていたこうと、うらわ美術館 キュレーター山田志麻子さんに、絵本を窓口に、現代アートの作家、作品を紹介していただきました。

 ご紹介いただいたのは、元永定正、大竹伸朗、新宮晋、ブルーノ・ムナーリ、村山知義、島袋道浩、柏原えつとむの7人の作家。難しそうだと構えてしまいがちな現代アートも絵本から入ることで身近に感じ、絵本の新しい魅力を知ることができました。

最後に、「現代アートは、わからないことがおもしろい。1歩踏み込めば、おもしろい世界が見えて来るんです。」と語った山田さん。

この夏、絵本で、美術館で、現代アートの「わからない」を楽しんでみたいと思いました。

 

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2014年

5月

25日

レクチャー シリーズ5  編集者・松田素子と絵本の仕事

 

開催日:2014年5月25日 14:00〜16:00

会場:三鷹ネットワーク大学
講師:松田素子(編集者)

 

編集者として数多くの絵本を手がけてこられた松田素子さん。絵本制作の現場での編集者の仕事をエピソードを交えご紹介いただきました。

 

これまで若手作家を数多く発掘してきた松田さん。絵本が生まれる過程での作家とのやりとりを絵本のダミーなど資料の紹介を交えお話しいただきました。臨場感のあるお話は、作家の成長と本ができるまでの編集者の仕事を垣間みるようでした。

「宇宙には哲学がある」と語る松田さんと宇宙飛行士・毛利衛さんとの出会い。宮澤賢治の絵本シリーズ、まどみちおさんとの交流……。2時間の講義はあっという間。

 

松田さんの編集者としての絵本づくりに対する姿勢や覚悟、仕事人としての努力や決断、人柄や魅力に、圧倒されつつも様々に感じることのある白熱の講義でした。 

2014年

2月

16日

レクチャーシリーズ4 知りたい!絵本屋さんの仕事 〜三鷹市 星と森と絵本の家の絵本選び〜

JR三鷹駅北口、玉川上水のほとりにあった“子どもの時間がある本屋 りとる”。

残念ながら、店舗は、2011年12月に閉店し、現在は、学校の図書室への外商を中心に営業を続ける“りとる”。代表 中野玲子さんをお迎えし、自身が目指す「子どもの時間がある本屋 」について伺いました。

絵本選びにおいて、「これこそはない。」という中野さん。

絵本を“手渡す”人の重要性。人を介在して、本の価値が変わること。本のことを語れる人がいて、本棚が活きること。だからこそ、絵本を好きな大人を増やそうと考えたという、子どもの本に対する熱い思いを語っていただきました。

また、後半は、三鷹市星と森と絵本の家 の築地館長にも参加していただき、星と森と絵本の家の絵本を事例に、絵本を紹介しました。

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2013年

11月

24日

レクチャーシリーズ3 tupera tupera のなりきりお面ワークショップ ~ミタカジン編~【三鷹駅前まるごと絵本市 出張企画】

ずらりと並んだかお・かお・かお。

“三鷹駅前まるごと絵本市”のオープニングイベントとして、三鷹市恊働センターで開催されたtupera tupera(ツペラ ツペラ)のなりきりお面ワークショップでの1枚。

 

楽しそうでしょ? 

楽しかったんですよ。ものすごく。

 

絵本「やさいさん」(学研)、「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)などで知られる tupera tuperaは、ここ三鷹で結成されたユニット。三鷹では、初となるワークショップは、参加者、総勢115人の大イベントとなりました!

 

制作したのは“ ミタカジン” のお面。「おしごと」「せいかく」「とくちょう」の3 つのキーワードを選んで、参加したそれぞれが想像した“ ミタカジン” を作りました。 完成後、出来上がったお面をかぶって自己紹介する発表会では、それぞれのキーワードやイメージしたものを聞いて、感心したり、驚いたり。

 

大人になると、いつも同じ社会の中で、似たような考えの人たちばかりで固まってしまうことも多いもの。多様な考えやアイデアの存在に気づく、絶好の機会でありました。

 

「スタッフも、一緒に楽しむべし!」とのtupera tuperaからの指令のもと、スタッフも、一緒に、楽しませていただきました。無心に、創作する喜び。人と共有する楽しさ。久しぶりに、満喫しました。

 

tupera tuperaさん、ありがとうございました! 感謝です。

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2013年

8月

04日

レクチャーシリーズ2 きくちちきさんと一緒に作る手製絵本ワークショップ

開催日:2013年8月4日 14:00〜16:00

会場:三鷹ネットワーク大学

講師:きくちちき(絵本作家)

 


絵本作家 きくちちき さんと一緒に、“手製絵本”を作るワークショップを開催
しました。
きくちちき さんは、個展とともに発表される手製絵本で注目され、2012年「しろねこくろねこ」でデビュー。今最も注目される若手絵本作家のひとりです。

 

まずは、デビューまでのいきさつときくちさんが絵本作家になろうと思うきっかけとなった、100年前のフランスの絵本、M・ブーテ・ド・モンヴェルによる「LA FONTAINE」との出会いについてお話していただきました。

 

絵本を作りたいと思ったものの、絵本の作り方がわからなかったという、きくちさんが、まずはじめにしたのは、おはなしと絵を描いて、ファイルにまとめる事でした。そして、自分で作った手製絵本を個展の際に、発表しました。その手製絵本がきっかけとなり、「しろねこくろねこ」の編集者と出会います。

デビュー作「しろねこくろねこ」は、色彩と躍動感あふれる画面で、シンプルでやさしいストーリーが、心にじんわり響く1冊。外箱や布ばりの背表紙、手になじむ紙の質感など贅沢な作りで、きくちさんの絵本作りに対する思いが伝わって来る宝物のような作品です。

人との出会いを振り返り、「ぼくは、ラッキーでした。」と語ったきくちさん。

でも、「しろねこくろねこ」のような作品は、今の商業出版の世界では、希有な存在です。「この本を超えるのは、大変です。でも、いつか、この本を超える本が作りたいです。」と、控えめながら、確かな、目標を見据える表情で語ってくださいました。
(コーディネーター 梅澤尚子)

 

手製絵本作りに挑戦!

後半のワークショップは、きくちちきさんの手製絵本作りをちょっとだけ体験し、きくちさんの絵本作りを体感してみようというもの。

少ない時間の中、みなさん真剣に制作されて、それぞれすてきな絵本が出来上がったようです。

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2013年

5月

19日

レクチャーシリーズ1 小林敏也 ライフワーク「画本 宮沢賢治」& 幻燈会

開催日:2013年5月19日 14:00〜16:00

会場:三鷹ネットワーク大学

講師:小林敏也(イラストレーター)

絵本を深く知るレクチャーシリーズ、記念すべき第1回目を飾ったのは「画本 宮澤賢治シリーズ」をライフワークとする小林敏也さん。印刷の技術を駆使して、他にない挑戦的な絵本作りをしてきた小林さんの絵本づくりについてお話していただきました

 

小林さんが絵本作りをはじめた1980年頃は、まだ、今ほど印刷技術が高くなく、自分の描く絵と印刷された絵の再現性のギャップに落胆したそうです。

そこで生まれたのが、風合いのある紙に特色刷りという画本(えほん)シリーズのスタイルでした。銅版画のようにみえる画は、スクラッチという技法で描かれたもので、版を重ねて作るこの画本には、色つきの原画がありません。絵本こそが、作品、正真正銘の本物なのです。

スクラッチ…専用の特殊なボードを引っ掻いて描く技法


「作品を知るには、その作品そのものについて知ることよりも、作家について知る事の方がずっと重要だ。」とは、独自の審美眼で現代アートの一大コレクションを築いたハーブこと故ハーバート・ヴォーゲル氏の言葉。(映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」より)

まさに!小林さんの絵本は、人を楽しませたいという意欲、知恵と工夫を実現する技術、そしてなによりまじめで誠実な性格の賜物でした。
お話を伺って、改めて、小林さんの絵本をずっと大事にしてきた、自分が誇らしくなりました。

 

義後の幻燈は、読み手の鍵本恵子さんとの意気もぴったりで、絵本とはまた違う幻燈の魅力に引き込まれ、新たな楽しみの発見となりました。

ちなみに「幻燈といえどもひとつの立派な表現ジャンルなのだ。」と語る小林さんは、幻燈には、幻燈のためのしかけをしています。

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